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偽装ファクタリングの見分け方:契約書で確認する6つの点と相談先

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契約書に「請求書の相手(売掛先)から回収できなかったら、あなたが買い戻す(または自分の資金で支払う)」という取り決めがある場合、その取引は貸金業に当たるおそれがあると金融庁は説明しています。受け取る金額が債権の額に比べて著しく低い場合も、偽装ファクタリングの疑いがあるとしています。貸金業に当たるかどうかは、契約書の題名や文言だけでなく、取引の実態に照らして判断されます。

この記事では、契約書で確認する6つの点を、金融庁が紹介している裁判例と対応させて整理し、相談できる窓口をまとめます。特定のファクタリング事業者を「安全」と紹介することはしません。

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偽装ファクタリングとは

ファクタリングは、会社や個人事業主が持つ売掛債権を、支払期日の前に手数料を差し引いて買い取ってもらう取引です。法的には債権の売買で、金融庁の相談事例では、2社間・3社間のファクタリングに貸金業の登録は必要なく、金利の上限の規制も適用されない、とされています(リコース型、つまり請求書の相手が支払えないときにあなたが支払いの義務を負う型を除く)。

一方で金融庁は、名前がファクタリングでも、経済的に貸付けと同じ働きをする取引は貸金業に当たるおそれがあると注意を呼びかけています。日本弁護士連合会も2020年に、事業者向けにファクタリングを装って違法な貸付けを行う業者の取締りを求める会長声明を出しました。一般に「偽装ファクタリング」と呼ばれているのは、こうした取引です。

請求書の相手が払えなかったとき、だれが負担する取り決めか
債権の売買としてのファクタリングファクタリング事業者が負担する

回収できなかった分を、あなたに買い戻させたり、支払わせたりしない取り決め。ただし、こう書かれているだけでは決まりません。

貸金業に当たるおそれあなたが負担する

回収できなかった分を、あなたが買い戻す、または自分の資金で支払う取り決め。

金融庁は、「あなたが負担する」取り決めがある取引は、名前がファクタリングでも貸金業に当たるおそれがあると説明しています。どちらに当たるかは、契約書の文言だけでなく取引の実態で判断されます。「ファクタリング事業者が負担する」と書かれていても、それだけで問題のない取引と決まるわけではありません。

契約書で確認する6つの点

次の表は、金融庁と大阪府が注意を呼びかけている事情と、裁判所が「貸付けに当たる」または「貸付けに準じる」と判断した事案で判断の材料になった事情を並べたものです。裁判例は、金融庁の注意喚起ページに掲載された要約によっています。

確認する点こうなっていたら注意
1. 請求書の相手が支払えなかったときの扱い回収できなかった分を、あなたが買い戻す、または自分の資金で支払う取り決めがある
2. 売掛金の回収の方法と、不払いの危険を負う側あなたが請求書の相手から回収してファクタリング事業者へ支払う仕組みで、ファクタリング事業者が不払いの危険をほとんど負っていない(大阪地裁)。契約書に、売った側は請求書の相手の資力を担保しない、と書かれていても、債権の性質や、譲渡から支払日までの期間の短さからみて、請求書の相手が支払わない可能性がきわめて低い(名古屋地裁)
3. 受け取る金額と請求書の金額の関係受け取る金額が債権の額に比べて著しく低い。債権の額面と関係なく金銭がやり取りされている
4. 表明保証の範囲あなたが約束する保証の内容が広く、実質的に請求書の相手の支払いを保証するものになっている
5. 公正証書や別の支払約束請求書の相手が支払わない場合に、あなたが債権の額以上を支払うという公正証書を作っている
6. 売買であることの明記と、代金の支払われ方契約書に売買契約であることがはっきり定められていない。あなたが債権を全額回収するまで買取代金の一部しか支払われず、全額を回収できなかった場合は買取代金から減額する条件が付いている

もとになった資料(番号は、表の「確認する点」の番号と同じです)

  1. 金融庁の注意喚起
  2. 金融庁の注意喚起、大阪地裁平成29年3月3日、名古屋地裁令和3年7月16日
  3. 金融庁の注意喚起、大阪地裁平成29年3月3日
  4. 東京地裁令和4年3月4日
  5. 東京高裁令和3年7月1日
  6. 大阪府の注意喚起

この表の使い方と限界

違約金や遅延損害金の条項も、負担の重さを知るために確認する価値があります。ただし、これらを貸付けと判断する根拠にした裁判例や公的な資料は、当サイトでは確認できていません。

手数料の重さを数字で確かめる

金融庁は、ファクタリングで高額な手数料を支払うと、かえって資金繰りが悪化し、多重債務に陥る危険性があるとしています。

見積もりを受け取ったら、手数料とそのほかの費用を合わせた額を出し、手取り額に対してどれくらいの重さになるかを確かめてください。手取り額の計算機で計算できます。ここでいう年率換算は、ほかの資金調達手段と比べるための目安で、金利ではありません。

給与の買い取りをうたうサービスについて

個人が受け取る給与を対象にした「給与ファクタリング」は、会社や個人事業主向けのファクタリングとは別のものです。最高裁は令和5年2月20日の決定で、これを貸金業法と出資法でいう貸付けに当たると判断しました。貸金業の登録のない事業者が行えば違法です。利用を勧められた場合は、下の相談先に連絡してください。

相談先

2026年10月2日時点で、各機関の公式ページで確認した内容です。受付時間や番号は変わることがあるため、連絡の前に公式ページをご確認ください。

窓口連絡先と受付時間補足
金融庁 金融サービス利用者相談室0570-016811(IP電話からは 03-5251-6811)。平日10:00〜17:00金融庁の経営者向けリーフレットに掲載。個別のあっせん・仲介・調停は行わない
日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター0570-051-051(ナビダイヤルを利用できない場合は 050-3494-7988 または 03-5739-3861)。9:00〜17:00(土日祝日・年末年始を除く)金融庁の経営者向けリーフレットに掲載
警察相談専用電話#9110。平日8:30〜17:15(都道府県警察本部によって異なる)。ダイヤル回線や一部のIP電話からは利用できない悪質な取立てを受けている場合。今すぐ警察官に来てほしい緊急の場合は110番
日本弁護士連合会 ひまわりほっとダイヤル0570-001-240。月曜〜金曜(祝日を除く)10:00〜12:00、13:00〜16:00中小企業・個人事業者が弁護士との面談を予約する窓口(電話での相談は原則として受け付けていない)。相談料などの条件は公式ページで確認
法テラス・サポートダイヤル0570-078374(IP電話からは 03-6745-5600)。平日9:00〜21:00、土曜9:00〜17:00(祝日・年末年始を除く)相談先や法制度の案内

金融庁のページには消費者ホットライン(188)も掲載されています。ただし消費生活センターが受けるのは消費者からの相談で、事業のファクタリングの相談は対象から外れます(当サイトが確かめた範囲では、福岡市、横浜市、大阪市のセンターが、事業に関する相談は受けないと案内しています)。事業の資金繰りにかかわる相談は、上の表の窓口に連絡してください。

よくある質問

請求書の相手に知らせない2社間のファクタリングは、それだけで問題になりますか

2社間であることだけを理由に、貸金業に当たるとはされていません。金融庁の相談事例は、2社間と3社間のどちらも、売買契約にもとづく債権の譲渡として説明しています。確認すべきなのは、取引の形ではなく、上の表にあるような契約の中身です。

ただし、請求書の相手に知られたくないという事情が、取引を貸付けに近いものと評価する材料になった例があります。金融庁が紹介している札幌高裁令和4年7月7日の判決は、債権の譲渡が取引先に知られると信頼を損ねて事業の継続が難しくなるため、売った側が期限までに債権を買い戻さなければならない状況にあり、ファクタリング事業者もそれを認識していたことなどを考慮して、貸金に関する規制を免れるものと評価し、公序良俗に反し無効と判断しました。契約書の文言にかかわらず、実際には買い戻すしかない取引になっていないかを確かめてください。

契約したあとでも相談できますか

できます。金融庁は、利用する側とファクタリング事業者の双方に弁護士への相談を勧めています。契約書、見積書、入出金の記録、ファクタリング事業者とのやり取りを手元にそろえてから連絡すると、状況を伝えやすくなります。

ファクタリング事業者の情報はどこで確かめられますか

当サイトの業者台帳では、ファクタリング事業者ごとに、公式サイトと国税庁の法人番号公表サイトで確認できた事実を出典つきで載せています。台帳は事実の一覧で、ファクタリング事業者の安全性を評価するものではありません。金融庁が公表している、無登録で貸金業を行っているなどとして警告した者の一覧もあわせて確認してください。ただし金融庁は、この一覧は警告した時点で無登録営業を確認できた者に限られ、載っていない者でも無登録営業に当たる行為をしていることがありうること、名称や所在地が現在のものでない場合があることを注意書きしています。一覧に載っていないことは、問題がないことを示すものではありません。名称が同じでも別の会社のことがあるため、名称だけで判断しないでください。

出典

更新履歴

困ったときの相談先を、状況別にまとめた一覧があります

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