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ファクタリングの利用規約で確認する条項:公開されている5サービスの規約を読んで比べた

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ファクタリングの条件は、公式サイトの案内ではなく、契約書と利用規約で決まります。当サイトの業者台帳の29サービスのうち、買取の条件まで定めた規約を、申込みの前に誰でも読める形で公開していたのは5サービスでした(2026年10月2日時点)。この5サービスの規約を全文読み、条項を比べました。

先に、確認リストを見る

先に読むべき箇所は5つです。

  1. 請求書の相手(売掛先)が支払わなかったときに、あなたに請求しないと書かれているか
  2. あなたが代金を返す、または買い戻すことになるのは、どんな場合か
  3. 表明保証で、何を約束することになるか
  4. 請求書の相手から受け取った代金をファクタリング事業者に渡す期限と、遅れた場合の遅延損害金
  5. ファクタリング事業者が請求書の相手に通知できるのは、どんな場合か

この記事は、公開されている規約の内容を紹介するもので、ファクタリング事業者の評価や推奨ではありません。条項が法律に照らして有効かどうかの判断もしていません。

このページの内容(11項目)

規約を事前に読めるファクタリング事業者は少ない

買取の条件を定めた規約を、申込みの前に読めるか(29サービスの公開の状況)

公式サイトのリンクなどから探した結果で、ファクタリング事業者の評価や推奨ではありません。公開を確認できなかった規約も、申込みの手続きの中で示される場合があります。2026年10月2日時点。

買取の条件まで定めた規約を公開していた5サービスは、FREENANCE、GoodPlus、ラボル、みんなのファクタリング、ペイトナーファクタリングです。いずれも、オンラインで手続きを行うサービスです。対面で契約するファクタリング事業者の契約書の傾向は、この調査からは分かりません。

規約を公開しているファクタリング事業者は、あなたが申込みの前に読める材料を出している側です。公開していないファクタリング事業者と契約する場合は、署名の前に契約書を受け取り、以下の項目を同じように確認してください。

この記事で条項を細かく紹介できるのは、5サービスが規約を公開しているからです。公開していないファクタリング事業者の条件が、ここに挙げた条項よりあなたに有利だということではありません。

「規約の公開を確認できなかった」12サービスは、公式サイトのリンクなどから探した結果で、申込みの手続きの中で示される場合があります。

1. 請求書の相手が支払わなかったとき

請求書の相手が倒産などで支払えなかった場合に、ファクタリング事業者があなたに代金の返還などを求めないこと(償還請求権がないこと)が、規約に書かれているかどうかです。

ファクタリング事業者規約の定め
FREENANCE請求書の相手が支払わなかった場合にあなたへ請求しない、という定めは見当たらない。あなたが不足分を支払うと定めているのは、請求書の相手があなたに直接支払った場合と、相殺など「債務不履行ではない事由」で入金が減った場合(8条6項、8条の2第4項)
GoodPlus請求しないという定めは見当たらない。請求書の相手の「債務不履行以外の理由」で減った分を支払うと定める(5条10項)
ラボル請求しないという定めは見当たらない。源泉徴収や相殺など、あなたが実質的に受け取ったと評価される減少分を支払うと定める(17条8項)
みんなのファクタリング請求書の相手の債務不履行や倒産手続の開始による不払いについて、代金の返還、損害賠償、償還、買い戻しなどを請求できないと明記。この定めがほかの条項に優先することも明記(6条2項、9条2・3項、12条7項)
ペイトナーファクタリング請求書の相手が支払わなくても、対価の返還を求めないと定める。ただし「本規約に別途定める場合を除き」という限定がある(8条6項)

「請求しないと明記している」ことと、「請求できるという定めがない」ことは、同じではありません。定めが見当たらない3サービスの規約は、請求書の相手の不払いそのものを理由に支払いを求める条項を置いていませんが、不払いの場合に請求しないとも書いていません。一方、当サイトの業者台帳で確認した範囲では、この3サービスを含む5サービスとも、公式サイトでは、償還請求権がない(請求書の相手が支払えなくなってもあなたに請求しない)という趣旨を案内しています(各社の台帳ページを参照)。規約と案内の両方を確認し、分からない点はファクタリング事業者に書面で確かめてください。

この表は規約の文言を並べたもので、どのファクタリング事業者があなたに有利かを示すものではありません。下の2から6の条項とあわせて読んでください。

2. 代金を返す、または買い戻すことになる場合

5サービスとも、あなたが規約に反した場合などに、受け取った代金を返す、または債権を買い戻す定めがあります。

ファクタリング事業者どんな場合に何を支払うか
FREENANCE表明保証または遵守事項に反した場合(10条)債権の額面に相当する額を直ちに支払う。遅延損害金を含めて全額を支払うと、債権はあなたに返される
GoodPlus表明保証または遵守事項に反した場合(7条)。このほか、規約に反した場合にファクタリング事業者が譲渡契約を解除できる定めがある(18条)債権の額面に相当する額を直ちに支払う。遅延損害金を含めて全額を支払うと、債権はあなたに返される
ラボル表明保証または遵守事項に反した場合で、ファクタリング事業者が請求したとき(19条)。規約では、表明保証に当たる項目を「確約」と呼ぶ債権を額面の金額で買い戻す
みんなのファクタリング表明保証に反した場合、規約のうち買取についての定め(第2章)に反した場合、ファクタリング事業者が対抗要件(請求書の相手への通知や登記)を備える前に、優先する第三者が現れた場合(17条)ファクタリング事業者が契約を解除でき、その場合は受け取った買取代金を返し、額面との差額を違約金として支払う
ペイトナーファクタリング表明保証に反した場合、あなたまたは請求書の相手が規約や元の契約に反した場合(そのおそれがある場合を含む)(10条6項)。このほか、利用停止などの措置をとった場合に、それ以前の取引を取り消せる定めがある(10条2項)ファクタリング事業者が譲渡契約を解除でき、その場合は受け取った対価を返す。利用料金と振込手数料は返還されない(10条7項)

計算例

額面100万円の請求書を、買取代金90万円で売った場合です。

つまり、これらの条項が適用されると、手数料に当たる金額は戻ってきません。

確認する点

3. 表明保証で何を約束するか

表明保証は、売る債権について、あなたが「事実である」と約束する項目です。事実と違っていた場合、上の2の条項が適用されることがあります。

ファクタリング事業者項目の数主な内容
FREENANCE18(8条7項)債権が実在すること、自分のものであること、二重に譲渡していないこと、請求書の相手から反論される事情がないこと、請求書の相手について支払いの停止や倒産手続の申立てがないこと
GoodPlus17(5条11項)債権が実在すること、自分のものであること、二重に譲渡していないこと、請求書の相手から反論される事情がないこと、請求書の相手について支払いの停止や倒産手続の申立てがないこと
ラボル17(17条9項。規約上の呼び方は「確約」)債権が実在すること、自分のものであること、二重に譲渡していないこと、請求書の相手から反論される事情がないこと、請求書の相手について支払いの停止や倒産手続の申立てがないこと
みんなのファクタリング6(11条)債権が実在すること、納品などが済んでいること、自分のものであること。請求書の相手の資力や、反論される事情についての項目はない
ペイトナーファクタリング13(7条)税金や社会保険料の滞納がないこと、元の契約に問題がないこと、回収に支障となる事由がないこと

項目の数は、それぞれの条に並んでいる号の数です。利用の条件を満たすことや、反社会的勢力でないことなど、債権そのもの以外についての項目も含みます。みんなのファクタリングは、反社会的勢力でないことの表明保証を別の条(18条)に置いているため、数をそのまま比べることはできません。

表明保証が、いつの時点の事実についての約束なのかも、規約によって違います。FREENANCEとGoodPlusは申込みの日と買取りの日、みんなのファクタリングは買取りの日と定めています。ラボルとペイトナーファクタリングの規約には、表明保証の全体についての時点の記載が見当たりませんでした(ラボルは、一部の項目だけを買取りの日の事実として定めています)。

金融庁が紹介している裁判例との関係

金融庁の注意喚起のページは、表明保証の内容が、実質的に請求書の相手の支払いを保証するものになっていたことを理由の1つとして、取引を金銭の貸付けと判断した裁判例(東京地裁令和4年3月4日)を紹介しています。金融庁の要約によると、この契約にはノンリコースの規定がありましたが、請求書の相手から反論される事情がないこと、請求書の相手が支払いを停止していないこと、破産手続を始める原因がないことなど、請求書の相手に不払いの兆候がないことを売った側が表明保証する内容になっており、裁判所はこうした事情などを考慮して判断しました。当サイトは判決文そのものは読んでおらず、金融庁のページの要約によっています。

金融庁の要約から当サイトが読み取ったのは、表明保証の項目が多いかどうかではなく、請求書の相手の側の事情まであなたに約束させる内容かどうかが、判断の材料の1つになりうる、ということです。規約や契約書を読むときは、表明保証の項目を次の2つに分けてみてください。

後者に当たる項目がある場合は、それが事実と違っていたときに何を支払うことになるのか(上の2)を、あわせて確認してください。

当サイトは、上の表の規約について、法律に照らしてどう評価されるかの判断をしていません。金融庁は、契約書の文言だけでなく取引の実態に照らして判断するとしており、同じページで、売買と認められた裁判例も紹介しています。判断がつかないときは、弁護士に相談してください。裁判例の整理は偽装ファクタリングの見分け方にまとめています。

4. 手数料は規約に書かれていない

5サービスとも、手数料の率を規約には書いていません。「当社所定の手数料」と定めるか、審査のあとに個別に通知する形です。

5. 回収した代金を渡す期限と、遅延損害金

2社間の取引では、あなたが請求書の相手から代金を受け取り、ファクタリング事業者に渡します。その期限は規約によって違います。

ファクタリング事業者渡す期限遅れた場合の遅延損害金
FREENANCE専用の口座への入金が原則。別の口座で受け取った場合は、受け取った日の翌営業日か、支払期日の翌営業日の早いほう(8条2項、8条の2)年14.6%(16条)
GoodPlusファクタリング事業者が定める期日(5条8・9項)年14.6%(13条)
ラボルファクタリング事業者が指定する期日。指定された振込人名を記載せずに振り込み、ファクタリング事業者が入金を確認できなかった場合は、渡していない扱いになる(21条2項)年14.6%(10条)
みんなのファクタリング受け取った日のうちに(12条)年14.6%(25条2項)
ペイトナーファクタリングファクタリング事業者が別に指定する期日(8条7〜10項)年14.6%(8条10項)

遅延損害金は、5サービスとも年14.6%でした。100万円を渡すのが遅れた場合、1日あたり400円、30日で1万2,000円です。

遅延損害金の率に、法律の上限はあるか

上の3つの法律を読んだ範囲では、事業として契約する者どうし(売る側も買う側も消費者ではない場合)の債権の売買について、遅延損害金の率の上限を定めた規定は見当たりませんでした。これは当サイトが条文を読んだ結果で、法律の専門家による確認ではありません。個別の条項が有効かどうかは、公序良俗などの一般的な規定によって判断されることがあります。

6. 請求書の相手への通知、登記、保証人

請求書の相手への通知

5サービスとも、ファクタリング事業者が請求書の相手に債権の譲渡を通知できる場合を定めています。

ファクタリング事業者通知できる場合
FREENANCE支払いの遅れや拒絶があった場合、表明保証や規約に反した場合(そのおそれがある場合を含む)、債権の管理や回収に必要と判断した場合。1件で生じれば、買い取った債権のすべてについて通知できる(8条8・9項)
GoodPlus支払いの遅れや拒絶があった場合、表明保証や規約に反した場合(そのおそれがある場合を含む)、債権の管理や回収に必要と判断した場合。1件で生じれば、買い取った債権のすべてについて通知できる。ファクタリング事業者が利用を停止した場合も含む(5条12・13項)
ラボル支払いの遅れや拒絶があった場合、確約した事項や規約に反した場合(そのおそれがある場合を含む)、債権の管理や回収に必要と判断した場合。通知の権限は取り消せないと定める。1件で生じた場合にほかの債権まで通知できるという定めは見当たらない(17条10項)
みんなのファクタリング内容証明郵便で通知する権限をファクタリング事業者に与え、取り消せないと定める。あなたの求めで通知を保留した場合でも、ファクタリング事業者が必要と判断すれば、いつでも通知できる(14条1項)
ペイトナーファクタリング表明保証や規約に反した場合(そのおそれがある場合を含む)、必要と判断した場合。請求書の相手への問い合わせや調査もできる(10条5項)

公式サイトで「取引先に知られない」と案内している場合でも、規約では、ファクタリング事業者の判断で通知できる定めになっていることがあります。知られうる経路の全体は、ファクタリングを使うと取引先に知られるのかにまとめています。

債権譲渡登記

登記についての条項があったのは1サービスです。みんなのファクタリングは、ファクタリング事業者が求めれば登記を行い、費用は全額をあなたが負担すると定めています(14条2項)。ほかの4サービスの規約には、登記の定めは見当たりませんでした。

保証人と担保

ファクタリング事業者規約の定め
ラボル申し込む側が法人の場合、代表者が連帯保証し、保証書を差し入れることが条件(17条4項)。保証の対象は、回収した代金の引渡し、買い戻しの代金、そのほかファクタリング事業者に対する一切の債務
みんなのファクタリング申し込む側が法人の場合、代表者の保証書の差し入れが条件(10条1項)。同じ請求書の相手に対する1年分の債権に担保を設定する定めもある。この担保は、請求書の相手の不払いの責任を担保するものではないと明記(13条)
ペイトナーファクタリング保証会社への保証の委託が、登録の条件(3条1項)。保証会社が代わりに支払った場合は、年14.6%の遅延損害金をつけてあなたに請求できる(保証委託の規約7条)
FREENANCE、GoodPlus保証人や担保の定めは見当たらない

ラボルの規約では、代表者が保証する対象は、申し込む側の法人がファクタリング事業者に対して負う債務(回収した代金を渡すこと、規約に反した場合の買い戻しの代金など)とされています。みんなのファクタリングの規約には、保証書で保証する範囲の記載は見当たりません。保証する範囲は、保証書の文面で確認してください。

7. 規約の変更と、裁判所の管轄

署名や申込みの前の確認リスト

ファクタリング事業者に確認するときの聞き方

回答は、メールなど記録が残る形で受け取ってください。

この記事の限界

困ったときの相談先

2026年10月2日時点で、各機関の公式ページで確認した内容です。連絡の前に公式ページをご確認ください。

窓口連絡先と受付時間相談できること
金融庁 金融サービス利用者相談室0570-016811(IP電話からは 03-5251-6811)。平日10:00〜17:00ファクタリングの契約についての一般的な相談。個別のあっせん・仲介・調停は行わない
日本弁護士連合会 ひまわりほっとダイヤル0570-001-240。月曜〜金曜(祝日を除く)10:00〜12:00、13:00〜16:00弁護士との面談の予約(電話での相談は原則として受け付けていない)
法テラス・サポートダイヤル0570-078374(IP電話からは 03-6745-5600)。平日9:00〜21:00、土曜9:00〜17:00(祝日・年末年始を除く)相談先や法制度の案内

出典

読んだ規約(いずれも2026年10月2日に全文を確認)

法令と公的な資料

更新履歴

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