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入金サイトが長いときの対策:受領日からの日数の数え方と、支払期日のルールの対象かを確かめる手順

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先に3行で

入金まで60日、90日、120日とかかる取引の中には、発注側が法律で、納品などを受けた日から60日以内に支払期日を定めるよう義務づけられている取引があります。対象になるかどうかは、取引の内容と、発注側・受注側の規模で決まります。入金を待てずに請求書を売ったり、資金を借りたりする前に、自分の取引が対象かどうかを確かめてください。

日数の数え方にも注意が必要です。法律の60日は、締め日からではなく、納品などを受けた日(受領日)から数えます。「月末締め・翌々月末払い」は60日サイトと呼ばれることがありますが、受領日から数えると、入金は最長で92日目になります。

この記事は、次の順番で進めます。

  1. 入金待ちになっている金額を計算する。
  2. 入金までの日数を、受領日から数え直す。
  3. 自分の取引に、支払期日のルールがかかるかを確かめる。
  4. 窓口に相談する。あわせて、支払期日が変わるまでの資金の手当てを計算する。

この記事では、仕事を受けて代金を受け取る側を受注側、仕事を出して代金を支払う側を発注側と呼びます。入金サイトは、締め日から入金日までの期間を指す言葉として使います。支払う側から見た支払サイトと同じものです。

このページの内容(10項目)

入金サイトが長いと、いくらが入金待ちになるか

毎月300万円の売上がある取引先を例にします。月末に締めて、入金も月末にある場合、入金待ちの金額(納品や作業を終えたのに、まだ受け取っていない代金)は次のとおりです。

支払条件月末の入金を受け取った直後月末の入金を受け取る直前
月末締め・翌月末払い300万円(1か月分)600万円(2か月分)
月末締め・翌々月末払い600万円(2か月分)900万円(3か月分)
月末締め・3か月後の月末払い900万円(3か月分)1,200万円(4か月分)
月末締め・4か月後の月末払い1,200万円(4か月分)1,500万円(5か月分)

入金を受け取った直後の金額は、「1か月の売上 × 締め日から入金日までの月数」で求められます。入金の直前は、これに当月の売上の1か月分が加わります。

入金を待つ間も、仕入れ、外注費、人件費の支払いは先に来ます。入金サイトが1か月長いと、1か月分の売上に当たる金額を、手元の資金でまかなうことになります。

逆に、入金サイトが1か月短くなると、切り替わる月に2か月分の入金が重なり、1か月分の売上(この例では300万円)が一度だけ早く入ります。その後も、入金待ちの金額は1か月分少ないままです。請求書を売って入金を前倒しする場合と違い、手数料はかかりません。

この表は当サイトの試算です。売上が毎月同じ金額である、という前提を置いています。

入金までの日数を、受領日から数え直す

数え方

  1. 発注書や契約書で、締め日と支払日を確かめる。
  2. その締め日に入る受領日のうち、いちばん早い日を選ぶ。月末締めなら月の1日、20日締めなら前の月の21日。
  3. その日を1日目として、支払日が何日目に当たるかを数える。

受領日は、物品なら発注側が受け取った日、役務(サービス)なら提供を受けた日です。提供に日数がかかる役務は、提供が終わった日です。検査(検収)が終わった日や、請求書を出した日ではありません。

下で説明する中小受託取引適正化法(取適法)の対象の取引について、公正取引委員会と中小企業庁のテキストは、次のように説明しています。

締め日・支払日ごとの最長日数

受領日を1日目として、当サイトが計算した結果です。締め日が、受領日(納品の日)を基準にしている場合の日数です。

締め日・支払日締め日から支払日まで受領から入金までの最長最長になる例
月末締め・翌月20日払い20日51日目1月1日受領、2月20日入金
月末締め・翌月末払い1か月62日目7月1日受領、8月31日入金
15日締め・翌月15日払い1か月62日目7月16日受領、9月15日入金
月末締め・翌々月10日払い1か月と10日72日目7月1日受領、9月10日入金
20日締め・翌月末払い1か月と10日前後72日目3月21日受領、5月31日入金
25日締め・翌々月5日払い1か月と10日前後72日目3月26日受領、6月5日入金
月末締め・翌々月末払い(いわゆる60日サイト)2か月92日目3月1日受領、5月31日入金
月末締め・3か月後の月末払い(いわゆる90日サイト)3か月123日目5月1日受領、8月31日入金
月末締め・4か月後の月末払い(いわゆる120日サイト)4か月153日目3月1日受領、7月31日入金

たとえば月末締め・翌々月末払いで、3月1日に納品した分は、3月の31日、4月の30日、5月の31日を足して、92日目の5月31日に入金されます。締め日から数えた「60日」と、受領日から数えた日数とでは、最長で1か月の差が出ます。

「月末締め・翌々月末払い」を、受領日から数えた例
60日目(4月29日) 3月1日納品(受領) 3月31日締め日 5月31日入金=92日目 61〜92日目

締め日から数えると2か月ですが、受領日から数えると92日目です。60日を超えていても、それだけで違反と決まるわけではありません。対象の取引かどうかと、数え始めの日が変わる場合に当たらないかを、下で確かめます。

検収が終わった日を基準に締める場合や、事務処理や請求書の遅れで翌月の締めに回される場合は、締め日から支払日までが1か月以内の支払条件でも、受領から60日を超えることがあります。テキストは、そうした例を違反行為事例に挙げています(68〜69ページの事例①⑤⑥)。

公正取引委員会が示している基準

取適法の運用基準は、月単位の締切制度で、締め日の後30日以内に支払期日を定めていないために、受領日から60日目までに代金を支払わないときは、支払遅延に当たる、としています(運用基準 第4の2(6)エ。テキスト183ページ)。テキストのQ&Aにも、発注側に常駐してプログラムを作る業務の例で、1か月締切制度では締め日の後30日以内に支払期日を定める必要がある、という説明があります(31ページのQ29)。テキストに出てくる例を3つ挙げます。

上の表のうち、同じ締め日・支払日の例がテキストにない行は、当サイトが日数を計算して並べたものです。

月末締め・翌月末払いは、締め日から支払日までが31日になる月もありますが、2か月以内として運用されています。そこで当サイトは、「締め日の後30日以内」を「締め日から支払日までが1か月以内」と読んで、目安にしています。この読み方は当サイトの解釈です。上の表では、1か月以内の3行は、最長でも受領から2か月以内に収まります。1か月を超える6行は、締め日の直後に受領した分の入金が、受領から2か月を超えます。

ただし、日数が2か月を超えていても、それだけで違反と決まるわけではありません。取引が法律の対象かどうか(次の章)と、下の「数え始めの日が変わる場合」に当たるかどうかで、結論が変わります。当サイトは、個別の取引が違反かどうかを判定しません。対象かどうか、違反かどうかは、「相談先」の窓口で確認できます。

数え始めの日が変わる場合

同じ種類の役務を続けて提供する取引。 取適法の役務提供委託と特定運送委託では、個々の役務が連続して提供される場合で、次の3つをすべて満たすときは、月単位の締切対象期間の末日に役務が提供されたものとして扱われます。この場合は、締め日から60日(2か月)以内に支払うことが認められます(テキスト63ページ、183ページ)。

  1. 締切対象期間の末日までに提供した役務に対して代金を支払うことが、協議のうえであらかじめ合意され、発注のときに明示されている。
  2. その期間の代金の額、または算定方式が明示されている。
  3. 連続して提供する役務が、同種のものである。

毎月続く役務の取引でこの3つに当たる場合は、上の表の日数ではなく、締め日から支払日までの期間で見ることになります。

情報成果物(プログラム、デザイン、映像など)の作成。 作成の途中で、発注側が内容を確認するために成果物を預かる場合について、受領日の例外があります(テキスト63ページ)。

支払日が金融機関の休業日に当たる場合。 順延が2日以内で、翌営業日に支払うことをあらかじめ書面などで合意しているときは、結果として受領日から60日(2か月)を超えても問題とはしていない、とされています(テキスト63ページ)。

フリーランス法にも、情報成果物の作成と役務の提供について、数え始めの日の例外があります(パンフレット10ページ)。自分の取引がこれらに当たるかどうかは、窓口で確認してください。

自分の取引に、どのルールがかかるかを確かめる

取引かかるルール支払期日の決まり
発注側が販売する物、請け負った仕事、ほかの者に提供する役務などについての、製造・修理・作成・提供・運送の委託で、発注側と受注側の規模が基準に当たる(発注側が自分で使うものの委託は、下の説明のとおり、限られた場合だけ対象)取適法(2026年1月1日施行)受領日から60日以内の、できる限り短い期間内
受注側が、従業員を使用していない個人か、代表者1人だけで従業員を使用していない法人。発注側が、従業員を使用しているか、役員が2人以上いるフリーランス法(2024年11月1日施行)受領日から60日以内の、できる限り短い期間内
建設工事の下請け建設業法(別の記事で扱います)—
上のどれにも当たらない製造委託など支払告示(2027年4月1日施行)、振興基準2027年4月1日から、受領日から60日を過ぎても支払わないことが禁止される(例外あり)
委託だが、取適法の「製造委託等」に当たらない取引(発注側が自分で使う役務の委託、発注側が自社では作っていない自社用の物品や情報成果物の委託など)取適法と支払告示の対象外。フリーランス法の基準に当たれば、フリーランス法フリーランス法に当たる場合は、受領日から60日以内
委託ではない取引(規格品の売買など)上のルールの対象外契約で決まる

取適法(中小受託取引適正化法)

正式な名称は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」です。下請法を改正した法律で、2026年1月1日に施行されました。

対象になるかどうかは、取引の内容と、資本金または従業員数で決まります。発注側は法人に限られます。受注側は、法人でも個人でも対象になります。

取引の内容発注側と受注側の規模(どれか1つに当たれば対象)
製造委託、修理委託、特定運送委託。情報成果物作成委託・役務提供委託のうち、プログラムの作成、運送、物品の倉庫での保管、情報処理資本金3億円超の法人から、資本金3億円以下の法人または個人へ。資本金1,000万円超3億円以下の法人から、資本金1,000万円以下の法人または個人へ。従業員300人超の法人から、従業員300人以下の法人または個人へ
情報成果物作成委託・役務提供委託のうち、上の4つ以外資本金5,000万円超の法人から、資本金5,000万円以下の法人または個人へ。資本金1,000万円超5,000万円以下の法人から、資本金1,000万円以下の法人または個人へ。従業員100人超の法人から、従業員100人以下の法人または個人へ

対象の取引で、発注側が負う主な義務は次のとおりです。

テキストは、受注側の了解を得ていても、発注側に違法性の意識がなくても、禁止事項に触れるときは違反になる、と説明しています(56ページ)。定められた支払期日より前に支払うことは差し支えない、ともされています(51ページ)。手形や電子記録債権での支払いについては、手形が使いにくくなった後の資金繰りにまとめています。

対象かどうかの確かめ方。 公正取引委員会の取適法簡易診断ツールで確かめられます。資本金の額、従業員数、委託の内容の3つを選ぶ形式です。発注する側の情報を入れる作りなので、受注側が使うときは、発注側の資本金と従業員数、委託の内容を選び、結果に示される委託先の条件に自分が当てはまるかを見ます。委託の内容の選択肢には、それぞれ「〜の内容」という説明が付いているので、開いて定義を確かめてください。公正取引委員会は、診断結果は簡易的なもので、正確性を保証するものではないと明記しています。発注側の従業員数が分からないなど、判断がつかないときは、窓口に相談してください。

フリーランス法

正式な名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」です。2024年11月1日に施行され、この日以降の業務委託が対象です。資本金の基準はありません。

パンフレットは、この法律には業種の限定がなく、建設工事も業務委託の対象になること、発注側が自分で使う役務の委託も対象になることを説明しています(5ページ)。委託ではない売買は対象外です(4ページ)。

取適法とフリーランス法の両方の基準に当たる取引で、どちらが適用されるかは、この記事では扱いません。窓口で確認してください。

建設工事の下請け

建設工事の下請けは、取適法の対象から除かれています。テキストは、建設業法に取適法と類似の規定が置かれているため、と説明しています(15ページ)。

除かれるのは、建設工事そのものの下請負です。建設業者から、建設資材の製造、設計図や工事図面の作成、警備などを委託される取引は、取適法の対象になりえます(テキスト25ページのQ5、16ページ)。

建設業法の支払いのルールは、この記事では扱いません。建設業でファクタリングを使う前に確かめることにまとめています。通報や相談の窓口は、国土交通省の「建設業相談窓口ナビ」で確かめられます(「相談先」の表)。

なお、従業員を使用していない個人や1人だけの法人が建設工事を受ける場合は、上のフリーランス法の対象になりえます。

取適法・支払告示の対象にならない取引(売買、発注側が自分で使うものの委託など)

規格品をそのまま売る取引や、発注側が自分で使うものの委託のうち上の説明で対象にならないものは、取適法と支払告示の60日のルールの対象になりません(フリーランス法の基準に当たる委託は、フリーランス法の対象です)。支払期日は、当事者の契約で決まります。ただし、手がかりがないわけではありません。

支払条件の見直しは、発注側との交渉と、下の「資金の手当て」で進めることになります。

対象の取引だったときにできること

取適法かフリーランス法の対象で、「数え始めの日が変わる場合」に当たらないことを確かめたうえで、受領から入金までが2か月を超えている場合に、できることは次の5つです。

1. 相談する

取引の区分ごとの窓口と連絡先は、「相談先」の表にまとめています。対象かどうか分からない場合や、名前を出したくない場合は、匿名で相談できる取引かけこみ寺やフリーランス・トラブル110番から始められます。

2. 発注側に伝える

取適法では、2026年1月1日以降の発注から、従業員数の基準と特定運送委託が加わりました。以前は対象外だった取引が、新しく対象になっていることがあります。発注側に伝える場合は、受領日から数えた日数と、公正取引委員会のテキストの該当ページを示す方法があります。

ただし、応じてもらえるとは限りません。伝えることで、取引に影響が出ないとも限りません。取適法が不利益な取扱いを禁じているのは、公正取引委員会、中小企業庁、事業を所管する大臣に事実を知らせたことを理由とする場合です(第5条第1項第7号)。発注側に直接伝えた場合を定めた規定ではありません。先に、匿名で相談できる窓口で進め方を相談してから、伝えるかどうかを決めてください。

3. 申告する

取適法では、違反が疑われる事実を、公正取引委員会または中小企業庁に申告できます。フリーランス法では、公正取引委員会または中小企業庁に申出ができます(第6条第1項)。

条文で禁止されていても、取引への影響がないことを当サイトが保証できるわけではありません。

申告や申出をしても、調査や是正が行われるか、代金がいつ支払われるかは、個別の事案によります。公正取引委員会は、申告や申出について、次の点を案内しています。

4. 匿名で情報を提供する、届いた調査票に答える

自分から申告しなくても、届いた調査票に答えることが、調査のきっかけになることがあります。

5. 遅延利息を確かめる

取適法の対象の取引で、発注側が支払期日までに代金を支払わなかったときは、発注側は、受領日から起算して60日を経過した日から支払いをする日までの日数に応じて、遅延利息を支払う義務があります(第6条第1項)。率は年14.6%です(令和7年公正取引委員会規則第9号)。

100万円の代金が、受領から90日目に支払われた場合の計算例です。61日目から90日目までの30日分として、次のようになります。

100万円 × 14.6% × 30日 ÷ 365日 = 12,000円

これは、条文の式に当サイトが数字を入れた計算例です。実際に支払われるかどうかは、個別の事案によります。テキストは、遅延利息を支払えば代金の支払いを遅らせてよいという趣旨ではない、とも説明しています(55ページ)。

対象外の取引で、支払条件の見直しを求めるときの材料

取適法にもフリーランス法にも当たらない製造委託などの取引には、2027年4月1日から、独占禁止法にもとづく告示のルールがかかります。それまでの間についても、中小企業庁と公正取引委員会は、対象外の取引の支払条件を見直すよう業界団体に要請しています。発注側に見直しを申し入れるときの材料になる文書は、次の3つです。

1. 支払告示(2027年4月1日施行)

名称は「製造委託等に係る代金の支払に関する特定の不公正な取引方法」(令和8年6月18日公正取引委員会告示第3号)です。製造委託などをした事業者が、受けた事業者に対して、受領日から起算して60日の期間を過ぎても代金を支払わないことを、正当な理由がある場合を除いて禁止します。

建設工事の下請けは、告示の対象にも入らないと、当サイトは読んでいます。根拠は2つです。告示の本文が、取適法第2条第4項の役務提供委託をそのまま引いていること。公正取引委員会の支払告示の特設サイトが、対象になる役務提供委託の説明に、建設工事は取適法の対象とはならない、というただし書きを置いていること。参考として、2026年9月2日の要請は、取適法と支払告示の対象外の取引についての項目のなかで、建設工事に触れています。

2. 中小企業庁と公正取引委員会の要請(2026年9月2日)

中小企業庁と公正取引委員会は、各産業の業界団体に、次のことを要請しました。

3. 振興基準(2026年6月24日)

振興基準は、受託中小企業振興法にもとづいて経済産業大臣が定める、発注側と受注側の「よるべき一般的な基準」です。この法律は、資本金または従業員数が自分より小さい中小企業に製造などを委託する事業者を、発注側(委託事業者)としています(第2条第4項)。

振興基準は、発注側は、受領日から起算して60日以内に定める支払期日までに代金を支払うことを「徹底する」、代金の支払いは「できる限り現金によるものとする」と定めています。中小企業庁は、「徹底する」と書かれた規定は、取適法の対象外の取引では、個別の事案によって指導・助言・勧奨の対象になりうる、と説明しています。行政処分や罰則はありません。

申し入れるときの進め方

申し入れることで、取引に影響が出ないとは限りません。取適法の不利益な取扱いの禁止(第5条第1項第7号)は、対象の取引で行政機関に知らせた場合についての規定で、対象外の取引での申し入れを守るものではありません。先に、匿名で相談できる取引かけこみ寺で、進め方を相談してください。

  1. 受領日から数えた最長の日数を示す。
  2. 上の3つの文書のうち、自分の取引に関係するものを示す。
  3. 希望する支払条件を具体的に書く(例:月末締め・翌月末払い)。
  4. やり取りを書面やメールで残す。

応じてもらえるとは限りません。断られた場合も、取引かけこみ寺に相談できます。

中小企業庁は、フォローアップ調査の結果をもとに「発注者リスト」を公表しています(2026年3月の調査分は2026年8月4日更新)。10社以上の回答者から主要な取引先として挙げられた発注側企業557社などについて、価格交渉、価格転嫁、支払条件の回答を点数にし、その平均値でア〜エの4つの区分に分けたものです。取引先が載っているかどうかと、支払条件の区分を確かめる材料になります。リストには、受注側の回答を整理したもので、各発注者のすべての状況を網羅的に整理したものではない、という注記があります。当サイトは社名を転記しません。

国の調査でみる現状

公正取引委員会や中小企業庁の資料で、支払手段として出てくる「ファクタリング」は、発注側・受注側・金融機関の三者の取り決めにもとづく支払いの仕組み(一括決済方式のうちのファクタリング方式)です。受注側が自分の請求書を、自分で選んだファクタリング事業者に売る取引とは、別のものです。

支払期日が変わるまでの資金の手当て

支払条件が変わるまでの間は、手元の資金を別の方法で手当てすることになります。請求書を売る方法は費用が重くなることがあるため、ほかの手段を先に検討することを勧めます。

先に検討する手段

請求書を売る場合の費用と、対象外になる条件

ファクタリングは、入金待ちの請求書(売掛債権)を、支払期日の前に、手数料を差し引いてファクタリング事業者に買い取ってもらう取引です。検討する場合は、先に費用と、対象外になる条件を確かめてください。

費用。 100万円の請求書を、手数料10%、そのほかの費用0円で売ると、手数料は10万円、手取り額は90万円です。支払期日まで60日の請求書なら、年率換算は67.6%になります。年率換算は、費用を手取り額で割り、365日あたりに直した比較用の目安です(費用 ÷ 手取り額 × 365 ÷ 日数)。ファクタリングは売掛債権の売買であり、この数字は金利ではありません。毎月100万円の請求書を売り続けると、1年間の手数料は120万円です(10万円 × 12回)。

やめるときに必要な資金。 入金サイトが長い取引では、売ったまま入金を待っている請求書が多くなります。そのため、やめるときに必要な資金も大きくなります。毎月100万円の請求書を、手数料10%、そのほかの費用0円で売り続けている場合です。

売った請求書が入金されるまでの月数売ったまま入金を待っている請求書一度にやめるときに必要な資金
1か月100万円(1か月分)90万円
2か月200万円(2か月分)180万円
3か月300万円(3か月分)270万円

必要な資金は、「手取り額(請求書の金額 − 手数料)× 入金されるまでの月数」です。一度にやめると、新しい買取代金が入らず、すでに売った請求書の入金もない月が、その月数だけ続くためです。

手数料10%は、計算のための前提です。当サイトの業者台帳で、自社で債権を買い取る26サービスのうち、手数料の上限を公式サイトに表示していた13サービスの上限(9%から20%)の中央の値を使っています(2026年10月2日時点)。実際の率は見積もりで決まります。

対象外になる条件。 入金サイトが長い請求書は、買取の対象外とされることがあります。当サイトの業者台帳に載せている29サービスのうち3サービスは、支払期日までの日数の条件を公式サイトに記載しています(申請日から70日以内が1サービス、最大90日先までが2サービス。2026年10月2日時点)。記載がないファクタリング事業者が、条件を設けていないとは限りません。ファクタリング事業者の名前と出典は、ファクタリングで対象外とされる条件に載せています。

自分の数字は、手取り額の計算機と、やめるための資金の計算機で確かめられます。

取適法の対象の取引では、発注側が、支払期日までに満額の現金を受け取れる方法で支払う義務を負っています。受注側が自分の費用で入金を前倒しする前に、対象かどうかを確かめてください。ここでいうファクタリングは、上で書いた、公的な資料に支払手段として出てくる「ファクタリング」とは別のものです。

確認リスト

相談や申し入れの前に、次の点を手元にそろえてください。

相談先

2026年10月4日時点で、各機関の公式ページで確認した内容です。連絡の前に公式ページをご確認ください。

取引の区分窓口連絡先と受付時間できること
取適法公正取引委員会「不当なしわ寄せに関する取適法の相談窓口」0120-060-110。10:00〜17:00(土日祝日・年末年始を除く)取適法についての相談。最寄りの担当窓口につながる
取適法公正取引委員会「取適法違反被疑事実についての申告窓口」オンラインのほか、各地の事務所で電話・郵送を受付。全国を担当する本局は 03-3581-3374違反が疑われる事実の申告
取適法中小企業庁「取適法の申告・情報提供窓口」公式ページから支払遅延、減額、受領拒否などの申告や情報の受付
取引全般取引かけこみ寺(中小企業庁の委託事業)0120-418-618。平日9:00〜12:00、13:00〜17:00(土日・祝日・年末年始を除く)取引上の悩みの相談。無料で、匿名でも相談できる。全国48か所
フリーランス法フリーランス・トラブル110番(厚生労働省の委託で第二東京弁護士会が運営)0120-532-110。9:30〜16:30(土日祝日を除く)弁護士への相談と和解あっせん。どちらも無料で、匿名でも相談できる。申出のしかたの助言も受けられる
フリーランス法違反被疑事実についての申出窓口オンラインの申出フォーム(厚生労働省のページに集約)、または郵送違反が疑われる事実の申出
支払告示公正取引委員会「支払告示の考え方についての相談」全国を担当する本局は 03-3581-3375。ほかに各地の事務所2027年4月1日に施行される支払告示の考え方についての相談
建設工事国土交通省「駆け込みホットライン」(建設業法違反の情報提供窓口)0570-018-240(ナビダイヤル。通話料は発信者の負担)。10:00〜12:00、13:30〜17:00(土日・祝祭日・閉庁日を除く)建設業法違反が疑われる取引の情報提供。通報や相談の窓口は、同じページの「建設業相談窓口ナビ」で確かめられる

この記事の計算と限界

出典

確認日はすべて2026年10月4日です。

更新履歴

困ったときの相談先を、状況別にまとめた一覧があります

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